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Basement Workshop

Miscellaneous stuff about audio, radios, guitar and alcohol

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50Ω/75Ωインピーダンス変換器の製作

ヘンテナの調整では、50Ω 用のSWRアナライザを直接使用して測定するというミスをやっちまったので (SWRの絶対値は正しくないが、共振点すなわちSWRのディップ点は変わらない)、今回はFM帯域をカバーする 75Ω/50Ω 変換器を製作した。

(これまでの調整方法)
 ・ディップメータを使用してディップ点を確認して概略同調周波数を確認。
 ・正確な同調周波数 (目的局にセンターが来ているか) を知りたい場合は、ディップした周波数を発振させたままFMチューナを動作させ、妨害が起きるかで確認。

空中にあるアンテナのワンターンコイルにじっと動かずにディップメータを当てている姿も滑稽だし (笑)、結合の深さが少しでも変わるとメータの値がふらつくので、非常に面倒くさい。それに、ディップの深さでSWRの良し悪しは分かるものの絶対値までは判らなかったのだ。

(準備するもの)
・アルミケース (タカチ)
・F コネクタ
・BNC コネクタ
・フェライトビーズ x 2
・UEW ポリウレタン線

(製作)
特に難しい個所はない。ここを参考にした。
Transformer.jpg






(実アンテナでの測定)
正しいインピーダンス値を読取るには、50Ω、75Ω それぞれの同軸ケーブルの長さは本来、電気的に 1/2λ にする必要がある。
がしかし (笑) それは後ほど作成するとして、現在手元にあるケーブルを使用してSWRアナライザで早速測定。
対象は直接給電 2エレ八木。

76.1MHzでSWRが1.15。ほぼ設計通り。
アンテナのエレメントの位置の調整をしながらリアルタイムでSWRアナライザのメータの動きが分かるので非常に楽だ。
SWR.jpg






(これからの方向)
・2エレは狭帯域型の19Ω 直接給電の実験。
・19Ω 直接給電型の 3エレの正式版の部品収集・製作。
 

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TRIO FX-46

FX-46f.jpg今度は真空管式FMチューナ、TRIOのFX-46。

(初期状態)
積年の汚れでドロドロ。
「動作しません」のジャンクだったが、恐るおそる電源を入れてみると、「ブーン」というハム音と共にホワイトノイズが聞こえた。
モノにするとハムは消えるが、これが参考になるかどうか・・・。
電源の電解コンの容量抜けか、と思いつつスケール内を選局してみるも、何も聞こえないし、メータも動かない。
なんか、RF段が動作していない感じ。

(清掃と初期確認)
天板と底板の汚れは、石鹸で水洗い。
基板やシャーシ、フロントパネルの汚れはアンモニアやガラスクリーナで根気よく清掃。
真空管のピンの清掃が終わった所で電源を入れてみると、ハム音はそのままだが、勢いよくSメータが振れて動作した!
B電源の値も妥当な感じで、アライメントはさておき、真空管独特の音がステレオで鳴り始めた。
メータのバックライトとステレオインジケータは点灯するが、スケールのランプは左右とも切れている。

(トラブルシュート)
マルチセクションの電解コン40uF+40uF+40uF/250Vの代替品に適当な候補が見つからないので、後で中身を取り出して汎用品を詰め込むとして、取りあえずハムの原因がここなのかを判定する。
手持ちに適当な値のものが無かったので、10uF/350Vを3個をそれぞれの端子にパラに接続。
若干ハム音は残るものの、実用レベルまでになることを確認。
後に47uF/250Vを3本購入して取り付けると、完全にハムは消えた。
FX-46l.jpg






(音質)
トランジスタアンプを通しているとは言え、やはり真空管の音。音離れが物凄く良く、スピーカがあることを忘れてしまう。
音は柔かいけれど張りがある。高域なんてものがあるのか (笑) というF特だが、ST-5000Fと同様不自然さは全くない。
NHK FMのルーシーケントの声がゾクゾクするほどリアルだし、ギターアンプが真空管式であることまで分かる。
いつまでも聴いていられる自然な音で、豪華なスペックに安心するだけのオーディオとは別世界。
脱帽。
FX-46r.jpg








 

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市販FMアンテナのインピーダンスマッチの謎

FD部分での給電インピーダンスが300Ωより下がっているのでは?と疑問の生じた市販FM八木。
カタログの仕様を見ていてハタと気がついた。

 ・バンド内のSWRは悪くないが、中心周波数でも決して良くない
 ・素子数に比し、ゲインは決して大きくない。


そうなのだ。「ゲインを稼ぐよりバンド幅を広くしたため、アンテナとしてのインピーダンスが下がらない構成となり、給電インピーダンスはFD単独の300Ωより若干低くなるだけ。」だったのだ。
背景として、

 ・FM放送のバンド幅は広いため、広帯域アンテナが大命題
 ・マッチングを設けると耐候性に問題が生じるので、曲げ加工さえできればFD
        の給電の方が給電部の実現が楽。
 ・4:1のバランの構成は楽なので、下手なマッチングを構成するより300Ω/75Ω
        の変換が利用できるFDを選択

ということだろう。なるほど。

(実際に設計してみた)
FDを使用した300Ω給電3エレ八木をEZNECでシミュレートしてみた。
SWRはバンド内で2.5以下、ゲイン7.35dBi、F/B比約10dBのものができた。
F/B比の調整が必要なようだが、予想通りの結果。
「市販FMアンテナは、インピーダンスは正確には300Ωじゃないけど大体OK」てなところか。
35d2f866.jpega39d49d3.jpeg







(75Ω直接給電2エレ八木)
前回設計のものよりSWRを低く抑えたものを設置。前後長が長くないので、室内設置にも最適。
ゲインが5.4dBi程度、F/B比が10dB程度だが、ダイポールに比べると聴感上のS/Nがぐっと向上した印象。
総合的に市販の3エレとそれほど変わらない感じだし、SWR=1.023@76.1MHzであることを考えると上出来。
勿論、SWRが低い帯域は非常に狭い。
ad7e50b0.jpeg







(デュアルリフレクタ75Ω直接給電2エレ八木)
ここまで来たら悪乗り (笑)。
前後長を増やさずにF/B比とゲインを上げられないものか、と実験していたら、デュアルリフレクタを思い出した。
ちょこちょこいじっていたら、F/B比約14dB、ゲインが7.45dBiのものができた。
高さが1.6m必要だが、凄い。へたにスタックで構造を複雑にするより簡単。

(総合評価)
耐候性と広帯域を重視するなら市販アンテナ。狭帯域でいいなら、2エレ八木75Ω直接給電はシンプルで小型だし性能も市販の3エレに比してもそれほど引けを取らない。
広帯域が必要ならいっそ複数本作って切替えるのも手。
いろいろと調査と設計をしてみて謎も解けたし、いよいよワクワク感が増してきたぞ (さらに悪乗りの予感)。

(方向が見えるがまだモヤモヤ)
・これまで、「高ゲインこそ命」(笑) と思ってきた。だが、それは、アマチュア無線のDXでの「聞こえないものが聞こえるようになる」という、あの究極の場面でこそ有用なのだ。ソースの音質に限りなく近づけたいと願うFMの場合、ローカル局のみを対象にし、IMDを小さくしS/Nを上げることに重きを置くべきだ。

・ゲインが低くとも目的の放送局の周波数に最適化 (狭帯域、F/SとF/Bが大きくSWRが低い) すればかなり有効であることを考えると、マルチパスやら近隣周波数からの妨害と影響を、予想以上に受けていることを意味する。

・どんなに優れたFMチューナでも、「アンテナから同一スペクトラム内に混入しちまった抑圧不能なノイズは除去できない*」訳で、物理的に目的放送局方向以外の信号は抑圧し、電気的に目的周波数以外の信号に対して高SWR (低効率)=高Qとするアンテナに、できる限りしておくべきなのだ (自己満足としても)。
とすると、単一周波数に同調する (または狭帯域) 低SWRのビームアンテナが必然であって、広帯域・高SWR、そこそこのF/B比の市販FMアンテナでは、ごにょごにょごにょ・・・ (笑)。

*:L-RとL+Rの加算・減算時に多少なりとも除去可能?

 

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75Ω直接給電FMアンテナ

これまで、良いFMアンテナはないものかと色々実験したり調べたりしてきたが、以下のような問題が解決できないでいた。

 ・ダイポールを除くと、75Ω給電のアンテナの製作記事が少ない。
 ・アマチュア無線用の50Ω給電アンテナの記事をすぐに利用できない。
 ・マッチングの製作が煩わしい。

(八木アンテナの給電インピーダンスは小さい !)
ダイポールのインピーダンスは約73Ωなのに、八木にすると何故マッチングが必要になるのかの理由が分からなかった。
ところが、某所で「八木アンテナの給電インピーダンスは低下する。20Ω前後」などと書かれていたのだ!
言われてみれば、「ゲインが取れる=電流がより多く流れる=インピーダンスが下がる」も納得がいく。
だから給電部にL/Cを入れてマッチングが必要な訳だ。50Ω用アンテナのマッチングのL成分 (またはC成分) を調整すれば75Ωにできる確信が得られた。しかし、どうもマッチング機構は複雑だし、接点の増大が避けられる直接給電方法はないものか?と、ずうっと考えていたのだ。

(給電側のインピーダンスを下げろ?)
低インピーダンスのアンテナから給電するには、ラジエータにL/C成分を持たせてインピーダンスを上げてもいいし、低インピーダンスの同軸ケーブルを接続してもいい。
だったら、アンテナとフィーダの間に同軸ケーブルで構成するQマッチを挿入して給電側のインピーダンスを下げればいい。
この方法で50Ω給電する方法はここ

(Qマッチの組み合わせには限度があるが)
最適化したアンテナのインピーダンスがQマッチで構成できる値と完全に同じなら問題ない。しかし、Qマッチに使用できる同軸組み合わせには限度があるため、「給電インピーダンスに合うようにアンテナを調整する」という、自由度の小さいものになる可能性が。
しかし、バランが必要になる場合があるものの、直接給電が可能になるのだ!
75Ω給電で一番実践的なものは、1/4λの75Ωケーブル2本をパラにしたものを接続して19Ωに対応する方式と、1/4λの50Ωケーブルを接続して33Ωに対応する方式。
アンテナ側のインピーダンスが19Ωまたは33Ωになるように設計すればいい。

(Qマッチも使用せずに直接給電できるか?)
アンテナのサイトのリンクを辿るうち、LFA (Loop Fed Array) なる、50Ω直接給電のアンテナがあることに気がついた。
インピーダンスの大きいアンテナをラジエータにすれば、相殺するじゃん」てな理屈だ。ループのインピーダンスは約110Ωと言われているので、
「ループ形状やエレメントの配置を調整をすれば、結果として50Ωにできるはず」、という訳だ。
てことは、調整次第では75Ω直接給電ができるかもしれない !
ラジエータがループになっているせいか、ノイズにも強いというおまけも付いてくるらしい (F/B、F/Sが極端に大きいから結果的に・・・・?)。

(EZNECによる奮闘)
ここにあるように、
 ・高ゲインとするとバンド幅が狭く、F/B比が悪く、インピーダンスが下がる。
 ・良好なF/B比を得ようとするとゲインが落ちる。
 ・良好なバンド幅とSWRとすると、ゲインが低くインピーダンスが上がる。
に注意してカットアンドトライ。

(1) 2エレ八木の75Ω直接給電
2エレまでなら、インピーダンスを落とさずにそこそこのゲインが得られるものが実現できることが分かった。
Radiator=1.84m、Reflector=2.0m、Spacing=0.8m
ゲイン=5.69dBi、SWR=1.15@76.1MHz、F/B=10.23dB

(2) Qマッチによる3エレ八木
19Ωは低インピーダンス=狭帯域のため、ピンポイントでしか高ゲイン/低SWRが得られない。周波数が異なると、ビーム方向が反転したりする(笑)。
でも、7dBi、F/Bが20dB程度のものができることが分かった。通常、ダイポール比で8dB (約10dBi) 程度とれるのが通常だが、高F/B比を狙い、かつインピーダンス固定となると、なかなかうまくいかない。

(3) ループをラジエータとする3エレLFA
ゲインが8dBi、F/B、F/Sが25dB程度のものができた。予想通り、50Ω用LFAのループ部の形状と比し、75Ωではフォールデッドダイポール (FD) に近い形に。予想どおり、110Ωのループと300ΩのFDの間で75Ωが実現できた。
ちなみに、最適値に調整後に前後のエレメントをはずと、FDのインピーダンスは約270Ωとなった。なるほど。
8061a2e3.jpeg





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6e932eb1.jpeg







(素朴な疑問が・・・)
・・・と待てよ。EZNECでアンテナの形状を確認しているうちに、なんだか見たことのある形が・・・。
「Tマッチをどんどん大きくしていった、3エレ八木じゃん!!!!!」(爆)
それに、マッチング部の接触抵抗はないが、スクエアループをアルミで接続部なしに構成できるのかを真面目に考えると、Tマッチ型八木と変わらないような・・・・(笑)。

もう一つデジャブが。
そう、FDを使用した市販FMアンテナ。これもループの一種と考えれば、LFAとも言える。しかし、あのアンテナの給電点インピーダンスは300Ωより低下しているはず。75Ωは、4:1のバランで実現していると思われるので、この疑問はどこへ聞けば?(笑)
それとも、実は給電点インピーダンスは平衡75Ωになっていて、1:1のBalunで不平衡75Ωを、1:4のBalbal (笑)で平衡300Ωを得ているのか?


 

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Crown FM Two

5b576de2.jpeg今度はなんと海外製、アンプでは夢だったあのCrownのチューナ、FM Two(FM-2)。
プロ用のオーディオ製品を作るメーカだったので、どんな作りでどんな音がするのか楽しみだったのだ。

(入手時の状態)
少々汚れはあるが、意外に綺麗で、物凄い薄型でラックマウント型。
足が元々ないが、4.4cmは凄い。あの薄いT-2でさえも足なしで6cmなのに。

電源電圧:
思った通り120Vの接続になっている。100Vのタップも用意されているので配線で変更可能。

周波数:
当然ながらUSA仕様、87.9MHz~107.9MHz。

音質:
ハムが若干聞える。電源の電解コンの容量抜けかな。
アナログTVのEテレの音声と、FMトランスミッタ経由でCDを聴いてみた。なんだか凄味のある、ライブ会場で聴くような音。
パルスカウント検波のL-01Tに似たような音。・・・と思ってサービスマニュアルの回路の動作説明を読むと、なんとパルスカウント検波2f940134.jpeg






(今後の対応)
トランスミッタを使用する専用のチューナにしようかとも思ったが、なんだかそれも勿体ない。
マニュアルを見ると、コントローラICのupd1703C-011の外付けのダイオードマトリクスの設定で日本の周波数の対応も可能の模様。
d753bc6a.jpeg
:ソケット式になっているダイオードマトリクスの一部。



表示のみか?チューニング用のEO1の電圧の可変範囲も変わるのだろうか?
現に、バラクタダイオードBB204Bへの印加電圧は、

現状:約3.5~23VDC/27~23.3pF
1VDC:理論上約50.5pF
なので、日本の周波数範囲用に設定されるとIC出力が3VDC以下に制御される仕様ならば、設定だけでいけそうな気も。

フロントエンドは、IFTを使わずにディスクリートのL、C、VC、バラクターダイオードのみで構成されているため、仮にICのEO1出力が自動で変更されなくとも、パラに入っているCの値を大きくして同調させることが可能かも。
FM-2.jpg




 

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HN:
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性別:
男性
自己紹介:
真空管ラジオ、無線機、オーディオ、ギター、洋楽が大好きなオヤジ。
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