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75Ω直接給電FMアンテナ

これまで、良いFMアンテナはないものかと色々実験したり調べたりしてきたが、以下のような問題が解決できないでいた。

 ・ダイポールを除くと、75Ω給電のアンテナの製作記事が少ない。
 ・アマチュア無線用の50Ω給電アンテナの記事をすぐに利用できない。
 ・マッチングの製作が煩わしい。

(八木アンテナの給電インピーダンスは小さい !)
ダイポールのインピーダンスは約73Ωなのに、八木にすると何故マッチングが必要になるのかの理由が分からなかった。
ところが、某所で「八木アンテナの給電インピーダンスは低下する。20Ω前後」などと書かれていたのだ!
言われてみれば、「ゲインが取れる=電流がより多く流れる=インピーダンスが下がる」も納得がいく。
だから給電部にL/Cを入れてマッチングが必要な訳だ。50Ω用アンテナのマッチングのL成分 (またはC成分) を調整すれば75Ωにできる確信が得られた。しかし、どうもマッチング機構は複雑だし、接点の増大が避けられる直接給電方法はないものか?と、ずうっと考えていたのだ。

(給電側のインピーダンスを下げろ?)
低インピーダンスのアンテナから給電するには、ラジエータにL/C成分を持たせてインピーダンスを上げてもいいし、低インピーダンスの同軸ケーブルを接続してもいい。
だったら、アンテナとフィーダの間に同軸ケーブルで構成するQマッチを挿入して給電側のインピーダンスを下げればいい。
この方法で50Ω給電する方法はここ

(Qマッチの組み合わせには限度があるが)
最適化したアンテナのインピーダンスがQマッチで構成できる値と完全に同じなら問題ない。しかし、Qマッチに使用できる同軸組み合わせには限度があるため、「給電インピーダンスに合うようにアンテナを調整する」という、自由度の小さいものになる可能性が。
しかし、バランが必要になる場合があるものの、直接給電が可能になるのだ!
75Ω給電で一番実践的なものは、1/4λの75Ωケーブル2本をパラにしたものを接続して19Ωに対応する方式と、1/4λの50Ωケーブルを接続して33Ωに対応する方式。
アンテナ側のインピーダンスが19Ωまたは33Ωになるように設計すればいい。

(Qマッチも使用せずに直接給電できるか?)
アンテナのサイトのリンクを辿るうち、LFA (Loop Fed Array) なる、50Ω直接給電のアンテナがあることに気がついた。
インピーダンスの大きいアンテナをラジエータにすれば、相殺するじゃん」てな理屈だ。ループのインピーダンスは約110Ωと言われているので、
「ループ形状やエレメントの配置を調整をすれば、結果として50Ωにできるはず」、という訳だ。
てことは、調整次第では75Ω直接給電ができるかもしれない !
ラジエータがループになっているせいか、ノイズにも強いというおまけも付いてくるらしい (F/B、F/Sが極端に大きいから結果的に・・・・?)。

(EZNECによる奮闘)
ここにあるように、
 ・高ゲインとするとバンド幅が狭く、F/B比が悪く、インピーダンスが下がる。
 ・良好なF/B比を得ようとするとゲインが落ちる。
 ・良好なバンド幅とSWRとすると、ゲインが低くインピーダンスが上がる。
に注意してカットアンドトライ。

(1) 2エレ八木の75Ω直接給電
2エレまでなら、インピーダンスを落とさずにそこそこのゲインが得られるものが実現できることが分かった。
Radiator=1.84m、Reflector=2.0m、Spacing=0.8m
ゲイン=5.69dBi、SWR=1.15@76.1MHz、F/B=10.23dB

(2) Qマッチによる3エレ八木
19Ωは低インピーダンス=狭帯域のため、ピンポイントでしか高ゲイン/低SWRが得られない。周波数が異なると、ビーム方向が反転したりする(笑)。
でも、7dBi、F/Bが20dB程度のものができることが分かった。通常、ダイポール比で8dB (約10dBi) 程度とれるのが通常だが、高F/B比を狙い、かつインピーダンス固定となると、なかなかうまくいかない。

(3) ループをラジエータとする3エレLFA
ゲインが8dBi、F/B、F/Sが25dB程度のものができた。予想通り、50Ω用LFAのループ部の形状と比し、75Ωではフォールデッドダイポール (FD) に近い形に。予想どおり、110Ωのループと300ΩのFDの間で75Ωが実現できた。
ちなみに、最適値に調整後に前後のエレメントをはずと、FDのインピーダンスは約270Ωとなった。なるほど。
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6e932eb1.jpeg







(素朴な疑問が・・・)
・・・と待てよ。EZNECでアンテナの形状を確認しているうちに、なんだか見たことのある形が・・・。
「Tマッチをどんどん大きくしていった、3エレ八木じゃん!!!!!」(爆)
それに、マッチング部の接触抵抗はないが、スクエアループをアルミで接続部なしに構成できるのかを真面目に考えると、Tマッチ型八木と変わらないような・・・・(笑)。

もう一つデジャブが。
そう、FDを使用した市販FMアンテナ。これもループの一種と考えれば、LFAとも言える。しかし、あのアンテナの給電点インピーダンスは300Ωより低下しているはず。75Ωは、4:1のバランで実現していると思われるので、この疑問はどこへ聞けば?(笑)
それとも、実は給電点インピーダンスは平衡75Ωになっていて、1:1のBalunで不平衡75Ωを、1:4のBalbal (笑)で平衡300Ωを得ているのか?


 

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