入手当初、電源が全く入らず一瞬絶望に暮れたが、冷静に電源 SW の抵抗を測ると約 300 Ω もあり、接点の炭化か何かによるものと判断。
SW を開けてみると、案の定真っ黒にこびりついた不純物。
摺動抵抗低減のためにベタベタに塗ってある機械油の飛散が原因だな、きっと。
と、ところが、SW が元に戻せない (大汗)。
ここではまる訳には行かないので、とりあえず SW はそのままにして、直結(笑)。 無事に電源が入った。
AM はほぼ信号強度ゼロという感じだが、FM は目ぼしい局はかなりの感度で受信できる。
お? 音がいいぞ。 最初に聞こえてきた番組は CSN の特集だったが、程度のいい装置で LP を聴いている感じ。
周波数特性は所謂カマボコ型で、オーディオ的には 「一昔前」 という感が否めないものの、 音離れが物凄く良く、楽器の特性を表現できる点が素晴しい。
改めてメインのシステム(C6/B4/4312A)で聴き直すと、長所と短所が明らかに。
(外観 / 操作感)
どこかで見たぞ。 Marantz ?
青のイルミネーションが美しい。 CPU 制御によるチラツキもない。
ノブはプラスティック製でフライホイール効果がないので、選局時に若干チープ感が。
(短所)
電解コンやハンダの劣化によるものだろう、ピーク信号での歪が見受けられる。
(長所)
とにかく聴いていて疲れない。
ボーカル・DJ の声の張り出し感、楽器・アンプの種類が手に取るように分かる。そのリアリティは最高。
驚くことに、AM を除いて調整のずれがほとんど無かった。 この点は Tuner Information Center の
KT-8007 (KT-9007の輸出版) の記事 にも書かれているので、KT-6007(KT-7007の輸出版)も同様であろう。
S/N の良さは この時代のチューナーとしては特筆物。
PLL 検波のおかげ。 PLL でありながら、音楽性のよさはRatio 検波のチューナーそのもの。
を聴いているようだ。
全体に漂う 「セピア色」 は部品の劣化や回路構成の古さによるものと 思われるが、部品の交換が逆にこの雰囲気を壊す気がする。
(総合評価)
やはり、
「スペックの良さ = 音質の良さ」 とは限らないことを再認識するチューナー。
[5回]
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COMMENT
無題
おそらくレシオ検波方式でしょう。
PLL化されていたのはMPX部分のようです。
ポムロルさんの耳が正しかったということですね。
Re:無題
お出でいただき、ありがとうございます。
そうでしたか! "PLL" ぱかり頭にありましたので、検波もそうだと思い込んでおりました。
なんと、直感の方が正しかったとは、恐れ入ります。
古いチューナーですが、レンジは狭いものの楽器の実在感がよく出て、お気に入りのひとつになりました。
無題
お出でいただき、ありがとうございます。
そうでしたか! "PLL" ぱかり頭にありましたので、検波もそうだと思い込んでおりました。
なんと、直感の方が正しかったとは、恐れ入ります。
古いチューナーですが、レンジは狭いものの楽器の実在感がよく出て、お気に入りのひとつになりました。