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カテゴリー「チューナー」の記事一覧

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FM用19Ω直接給電2エレ八木 (その2)


Qマッチを応用して、超狭帯域のアンテナのシミュレーションや実験をしてきた。しかし、長期に渡り使用可能な完成版の着手になかなか至らないのには理由がある。
設置・解体が簡単な上に、19Ω直接給電2エレ八木でもその性能が十分で、それ以上を求める理由がないのだ・・・。

(その性能)
実は、良さを数値で示すための機器がないため、「S/Nが**dB向上した」といった表現ができないから歯がゆい。
この周辺の受信環境はお世辞にも良いとは言えず、T型アンテナやフォールデッドダイポールごときアンテナではノイズだらけでFMなんか聴く気も起きないのだ。
それに対し、たった2エレメントであるにもかかわらず、LXA-0T3を通してもボロが出ないほどノイズが低い。正に目から鱗。

(問題点)
 -  「直接給電部」の悪影響
   直接給電に最適な最終形を決められないでいるため、未だにみの虫クリッ
           プを使用している。
   設置するたびにアルミパイプの酸化被膜を貫通できるからだ。しかし、こ
          こに問題あり。
   これまで、何故かドリブン・エレメントの長さを計算値より短くしないと
          だめだったが、実はこの2cmほどのみの虫クリップが、エレメントの一部
   またはスタブとして動作していたことに気付いたのだ。
   同軸からの距離を最小にした上でリベット留めにしないとダメな模様。

(汎用と言えない難しさ)
 (1) Qマッチの製作
   実際に使う同軸ケーブルで1/4λを測定できないとだめ。
   最低でもディップメータがないと・・・。
 (2) 調整
   「狭帯域=ディップ点がクリティカル」なため、SWRアナライザによる現
           物での調整をしないと性能が発揮できない。
   広帯域アンテナの「大体の寸法で動作」は成り立たないのだ。
 (3) 多局対応
   19Ω直接給電2エレでは、2MHz近く離れたローカル局では問題ないが、そ
           れ以上だとダメ。
   下手をすると聴きたい局数分のアンテナが必要になるかも。
   しかし、エレメント間隔が40cm程度だし、その満足感をもってすれば複数
           製作も問題なし?

(多極フィルタに似ている?)
1本のエレメントでは同調のカーブは緩いが、近い同調周波数の複数本のエレメントを結合させると急峻なカーブとなる。
なんだか、多極型のクリスタルフィルタやメカニカルフィルタと動作の原理が似ている
いやあ、面白いなあ。


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KENWOOD L-03T


L-02Tの音は一生聴くことができないのだろうな、と思っていた。
しかし、型番は"1"大きいが、とうとう踏み込んでしまったのだ。未体験ゾーン、ノンスペクトラム IFに。全く動作しないジャンクなため、踏み込んだその足がズブズブと沈み込むような感覚 (笑)。

(造りの印象)
見た目はまるで KT-1100のブラック版。基板の IFTの数がとんでもなく、チューナというより通信機。
RF系がこんなに豪華なのに、電源がこれまたアッサリし過ぎ。

(初期状態)
アンテナを付けようが、SWRアナライザで妨害を試みようが、ホワイトノイズが空しく響くだけでシグナルメータさえピクリとも言わない。L-01Tで経験した、あのいやな感じが蘇る。
外観だけは傷一つない完全品。

(トラブルシューティング)
最初は"OSCのトリマに違いない"と思って何度もグリグリ回してみたが、下記のように実際は問題なかった。
SWRアナライザとディップメータを使用し、使用周波数が異なる以下のブロックの動作確認をしてみた。

(1) FMバンド周波数
76 - 90 MHz
SWRアナライザ、ディップメータの結合により同調周波数を確認・調整。
TC1/TC2/TC4 はすべて大幅にずれていたが、調整できた。RFアンプ周辺は動作している。

(2) OSC
65.3 - 79.3 MHz
SWRアナライザで校正したディップメータの吸収計を使用して、OSCトリマ (TC6/TC8) により発振周波数を調整。

(3) IF
10.7 MHz
ディップメータの発振器をミキサ Q2 (3SK74) 周辺、T1に結合させても全く反応なし。IFアンプ (Q1) 後段の IFT (L4~L7) に密結合させると、やっと反応。

(4) VCO
6.2 MHz
L20 が反応する。

(5)ノンスペクトラム IF
4.5 MHz
関連 IFTが反応する。

(ここまでの結論と今後の展開)
IF周辺が全く動作していないため、ミキサ Q2 が故障している感じ。
メイン基板のハンダのやり直しをしても変化が無いため、フロントエンド基板を外さないと何も進まないことに・・・。



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超狭帯域直接給電FMアンテナ

何でも「超」を付ければ良いというわけではないが (笑)、Qマッチを使用した2/3エレFM用アンテナとしては、破格だろう。

(本来の目的)
RF段 (IF段) で一生懸命不要電波を排除しているのだから、アンテナだって大口を開けているのではなくて、同調型と言えるくらい狭帯域にしてもよいのではないのかと思ったのが発端。MLAでは高利得化に目途が立たなかったので、八木で模索してきた。
給電インピーダンスを低くすれば狭帯域化ができるのが分かったため、前回は19Ωの2エレを製作。

(Qマッチのバリエーション)
75Ωフィーダや50Ωフィーダを使用していくつかのQマッチのバリエーションが考えられるが、給電インピーダンスが余り低過ぎるとアンテナ自体で実現できなくなるので、75Ωフィーダを使用して
    (1) 2本パラで18.75Ω
    (2) 3本パラで8.33Ω
    (3) 4本パラで4.69Ω
といったところだろう。

(帯域幅の比較)
2エレ/76.1MHz/地上高2mの条件で、75Ω版と上記3種類を比較してみた。
bd809be8.jpeg

75Ω





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18.75Ω





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8.33Ω






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4.69Ω





75Ω版が優等生的なカーブなのに対し、その他のアンテナのカーブを見れば、敢えて「同調型」と言っている意味が分かるだろう。

(弱点の克服)
低インピーダンス型アンテナの弱点は、FB比が良くない点。
4.69Ωの場合、FB比はわずか4.55dBしかなく、後方や横方向から直近周波数または同一周波数に被ってくるノイズには弱い。
そこで4.69Ωを維持しつつFB比を上げるために3エレを設計してみた。
結果、18dBほどのFB比が得られ、実用的なレベルに。
850dc09b.jpeg2a5097e0.jpeg










 

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19Ω直接給電2エレ八木

高さや環境に影響を受けにくく、同調型に近いSWR特性を持つ19Ω直接給電2エレFM用八木を作ってみた。

(要のQマッチ)
対象を76.1MHz、短縮率を0.67とすると、1/4λ=0.66m。
同軸の片側を若干剥いてコイルを作り、ディップメータで1/4λを調整。
実際は2cmほど短くしたところで76MHz近辺でディップした。
これを2本用意し、並列に接続して75Ωの同軸に接続。これで19Ω (正確には18.75Ω) の給電ラインが完成。

(ワクワクの調整)
EZNECで計算した長さにカットした2エレを準備し、接続。
と、ところが、その時点でのSWRはとんでもない値に。
「計算を間違えたのか?接続を間違えたのか?」と頭の中をグルグル回るが、ここは冷静に。
SWRアナライザの周波数を76.1MHz近辺でスイープすると、74MHzあたりに強烈なディップが!

あまりにも同調周波数が離れているので、エレメントの長さを間違えたのかと思ったが、実はエレメント間隔が数cm移動しただけで同調周波数が大きく移動するのだ!
75Ω直接給電2エレの時は、エレメント間隔は主にインピーダンスの変化に現れたが、実に面白い。
SWRアナライザのメータの動きがまるでディップメータのディップを観測している時の様だ。
対象周波数では設計値より若干短いエレメント間隔でSWR≒1.1が得られた。
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(チューナでの実使用)
これだけ「同調」という表現に近い極端なSWRの変化を見せつけられると、目的局以外は受信不能になるのではないか?と思えた。
2MHz離れた強電界局をT-2で受信すると全く問題なく受信できるが、7MHz離れた中電界局ではAUTO DXをOFFの場合STEREOにならないくらい弱くなる。マルチパスの指示も強くなり、音がノイズっぽい。
まずは予想通り。

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理論値から「実地上高」を決定する

インピーダンスの高いFMアンテナ (=75Ω) が地面からの高さで目まぐるしく変化して計算値と合わない結果が度々発生していた。
そこで、「基準アンテナを用いて任意の位置の実地上高を逆算」 して再現性を上げるという、前代未聞の (笑) 方法を採ることにした。

(経験則から見えていたこと)
75Ω直接給電2エレ八木アンテナは未だに実験形式から抜け出していないため、「ラジエータを天井からぶら下げてリフレクタを三脚に載せる」 というお粗末な方式であったが、明らかにSWRがストンと落ちる日がある。
これまでも、フォールデッドダイポールやJ-Pole、今回の2エレを設置する度に共振周波数とSWRが微妙に異なり、一体何が再現性を低くしているのかと考えてきたが分からなかったのだ。

(落とし穴)
インピーダンスが高いFMアンテナは、周囲の影響を受けやすい上に 「高さが20cm違うだけで結果が大きく異なる」。

(基準モデルの設定)
Φ4mmの1.8mのダイポールが既にあるので、
 (1) このアンテナが理論上SWRが一番低くなる (≒75Ω) 周波数と地上高 "H" をEZNECで割り出す。
 (2) このアンテナを基準として「希望する設置位置で一番SWRの低くなる高さ "h" をその位置の実地上高 "H"」 とする。
もちろん、H=h とならないこともあるだろう。

EZNEC (real)での計算によると、Φ4mmの1.8m長のダイポールは
 ・高さ H=1.8m (≒1/2λ)、81.1MHzでSWRが最小 (1.023)
 ・高さ H=3.6m (≒1λ)、80.0MHzでSWRが最小 (1.009)
 ・高さ H=5.4m (≒3/2λ)、79.9MHzでSWRが最小 (1.007)

(実験)
SWRアナライザを使用し室内の色々の場所で測定してみると、実1.8mの高さが微妙に変化する。
面白いことに、いつも2エレを設置している場所の理論1.8mの位置が、昨日設置してSWRがよく落ちた高さと一致するのだ。
その理由を理論値が裏付けた形に (笑)。

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