TIC では、
"The prince who could be king." とまで言わせる、次点候補の評価を得ている TU-D707 (TU-919)。
おまけに、
「L-02T と僅差」 らしいので、期待と想像はどこまでも膨らんでいたのだ (笑)。
ところが、
最初にメインのシステムで聴いた時のガッカリ具合は酷かった。
TU-D607 に負けるどころか、先輩の TU-707 に対しても?な状態だったのだ。
もちろん、RF の調整はしたものの、それ以外の調整はしていないので完全な状態とは言えないだろうが、いがらっぽい様なザラついた音にはがっかり。
(初期状態)
AFC が外れているし、メータがセンターに合っていない。
しかし、RF の調整のずれはほとんど無く、TU-707 よりは経年変化が見られない。
(デザイン)
黒のメータと、品の無い (笑) ディジタル表示。 どう見てもクリーム色の大人しいスケールに似つかわしくない。
フロントエンドや出力アンプ基板 (一部) にシールド。
基板のハンダ面に、パスコンの追加がいくつかある。
特に、終段のバッファアンプの電解コンにフィルムコンをパラってある (±B x L/R=4 pcs) のは結構な拘り。
(調整直後の音質)
音場がやや後退した位置に張り付き、YAMAHA のレシオ検波のような三次元感はあまり無い。 ベースの 4 弦の音が十分に出ているが、音程が感じられない。
気を取り直して、
我慢しながら長時間聞いていると、だんだん音が変わっていくのが分かる。
いや、別に無理に慣れようとしているのではない (笑)。
長期間未使用だったために、
電解コンデンサのリフォーミングが起きている可能性が高い。
ざらつき感に隠れていた楽器が時間と共に聞こえるようになり、ピアノとアコースティックギターがリアルに鳴ってきた。
(端子の清掃後の変化)
基板のグランドのターミナル (F-2870 他)、バッファアンプ (F-2875) のコネクタの接点に DeoxIT を塗布して何度か摺動させて改善があるのかを確認。
すると、
バラバラに鳴っていた楽器がまとまりを見せた上に、ベースの音程がくっきりと出るようになった!
TU-D607 で感じた新鮮な感じが蘇る。 これが本来の TU-D707 の実力なのだろうか。
(今後)
電源のバイパスコンデンサーの劣化もさることながら、信号経路の電解コンやセパレーション調整回路の BP コンデンサーも精神的に良くない。
この辺の交換・一掃をすれば、本来の "The Prince" の姿を現すのだろうか。
[5回]
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