今度は SANSUI TU-707。TIC の Shootout でTUX-1、TU-919 の後、17位に入る実力らしいので、興味があったのだ。
(初期状態)
・脚がない
・FM の感度が極端に悪く、当然ステレオにもならない
・AM の感度が悪い上に、スケールに全く合っていない
・ダイアルスケールのランプが 4 個のうち 1 個だけしか点かない。
・電源部の電解コンに、スリーブが下がったり開放弁の部分が膨らんだりしているものがある。
(初期概略調整)
・FM、AM 共に、バリコンのトリマを調整すると目を覚ましたように S メータが振れ出し、最大値に張り付いた。そんなに元気に振れなくても(笑)。
ステレオのランプは点いたが、最適同調部分が Tuning Meter のセンターではない。
・FM のチューニング中にガサ付きや周波数ジャンプが起こる。 DeoxIT をバリコンシャフトの支持部分に注し、スケールを何度も往復。これで解消。
(マニュアルに基づく調整)
・FM/AM の感度の悪さとトラッキングのずれは、LC の調整で復活 (IF/ディスクリミネータ/セパレーションの調整方法は割愛)。
FM Dial Calibration: L04, TC04 (F-2678)
FM RF Adjustment: L01/L02/L03, TC01/TC02/TC03 (F-2678)
AM Dial Calibration: T04, TC06 (F-2678)
AM RF Adjustment: Bar Antenna L702/TC05 (F-2678)
・メータの振れは、3/4 ぐらいのところに調節。
VR02/F-2678
・Tuning Meter のセンターがずれていたので、調整。
T03/F-2678
(部品交換)
何だか低音がスカスカだし、いがらっぽい感じの音なので、470uFx2 以外の電源部のコンデンサを全部交換。
12V 出力の 47uF だけは、低音の増強を目的に330uFに。
点かない電球を調べてみて驚いた。 通常の電球かと思ったら、L-01T と同様の取り付け方法の、麦球ならぬ「空豆球」(笑)。 同じものは見つからないだろうなあ。
(音質)
調整と電源部のコンデンサ交換で見違えるようになった。
後継機の TU-D607 に比べると、広がり感が若干が落ちる(スペック上も 5dB 劣る)。
楽器の実在感も期待ほどでない。 TU-D607 にセピア色を足した感じ。
カップリングとデカップリングのコンデンサの交換が必要のようだ。
レシオ検波ということで、YAMAHA 同様リバーブがよく聞こえ、奥行き感がよい。
YAMAHA の T-4 と発売時期と価格帯が似ており、傾向も似ているが、鳴り方が違うのは面白い。
交換したコンデンサのエージングが進んでいるのか、聞いているうちに徐々に良くなるのがわかる。
(その他)
TIC では、Shootout の順位はそこそこなのに、
特別扱いを受けている。
先日も eBay で $50 で落札された事に 「
気づいていれば絶対に入札したのに!」 と大騒ぎになっていた。
肝心の音に関しても、Quartz Lock が 「煩わしい」 と表現されるばかりで良いのか悪いのか分からないし、 Shootout の対象にもなっていない TU-D607 (TU-719) だが、
俺の好みでは TU-D607 の圧勝と思う。
KT-5020 と同様、西洋人と日本人の好み・音感の違いなのか?
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