忍者ブログ

Basement Workshop

Miscellaneous stuff about audio, radios, guitar and alcohol

カテゴリー「チューナー」の記事一覧

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


Crown FM Two

5b576de2.jpeg今度はなんと海外製、アンプでは夢だったあのCrownのチューナ、FM Two(FM-2)。
プロ用のオーディオ製品を作るメーカだったので、どんな作りでどんな音がするのか楽しみだったのだ。

(入手時の状態)
少々汚れはあるが、意外に綺麗で、物凄い薄型でラックマウント型。
足が元々ないが、4.4cmは凄い。あの薄いT-2でさえも足なしで6cmなのに。

電源電圧:
思った通り120Vの接続になっている。100Vのタップも用意されているので配線で変更可能。

周波数:
当然ながらUSA仕様、87.9MHz~107.9MHz。

音質:
ハムが若干聞える。電源の電解コンの容量抜けかな。
アナログTVのEテレの音声と、FMトランスミッタ経由でCDを聴いてみた。なんだか凄味のある、ライブ会場で聴くような音。
パルスカウント検波のL-01Tに似たような音。・・・と思ってサービスマニュアルの回路の動作説明を読むと、なんとパルスカウント検波2f940134.jpeg






(今後の対応)
トランスミッタを使用する専用のチューナにしようかとも思ったが、なんだかそれも勿体ない。
マニュアルを見ると、コントローラICのupd1703C-011の外付けのダイオードマトリクスの設定で日本の周波数の対応も可能の模様。
d753bc6a.jpeg
:ソケット式になっているダイオードマトリクスの一部。



表示のみか?チューニング用のEO1の電圧の可変範囲も変わるのだろうか?
現に、バラクタダイオードBB204Bへの印加電圧は、

現状:約3.5~23VDC/27~23.3pF
1VDC:理論上約50.5pF
なので、日本の周波数範囲用に設定されるとIC出力が3VDC以下に制御される仕様ならば、設定だけでいけそうな気も。

フロントエンドは、IFTを使わずにディスクリートのL、C、VC、バラクターダイオードのみで構成されているため、仮にICのEO1出力が自動で変更されなくとも、パラに入っているCの値を大きくして同調させることが可能かも。
FM-2.jpg




 

拍手[1回]

PR

SONY ST-S555ES

DSC01753.JPG今度は、SONYのST-S555ES。
ST-J75の後継機、もしかしてSONY最後のレシオ検波の高級機。
本体側では電流出力、アンプの直前で電圧に変換という、変態好き(笑)にはたまらない手法。
レシオ検波のシンセサイザー機YAMAHAのTX-900もSONYのST-J75も太鼓判を押すまでには至らなかったので、期待していた。それに、ST-S555ESについての評判もTICを除くとさっぱり見つからないので、謎のモデルだったのだ。

(入手時の状態)
1年ほど前までは動作していたが、何も受信しなくなったという個体。
前々オーナが、RCA出力できるように改造している。
開けてみると、アブラとホコリとカビが山盛り(笑)。
電源SWのランプが切れていると思ったら、このモデルには最初から電源SWのランプは存在していない・・・。

(故障の状況)
アライメントがずれているというレベルのものでなく、バンドのどこでも何も受信しない。
フロントエンドへのCV(バラクタダイオードへの容量制御用の信号)を測りながらチューニングを上下させても、電圧に変化なし。
ここだ。

(トラブルシューティング)
Q602(2SC1362)のコレクタ電圧が低すぎ。
2SC1362に仕様の近い手持ちのTrに交換するも、変化なし。
ということは、Q601(2SK30GR)の故障か・・・。
部品の在庫から探し、Q601を交換すると、一発で動作。
Defect.jpg 







(不可解な部品と動作) 
Q601の交換で動作するようになったが、TP3での1.8Vへの調整を試みるも、RT601を回しても0.8Vのまま全く動かない。
基板上でRT601を測定すると、数100kΩを示す。1kΩのVRだから、パラレルに入る回路と合わせても1kΩ未満でなければいけない。
外して両端を計ると、無限大。そう、数MΩでもなく、どの端子間も無限大。
ところが、このRT601を交換すると、TP3の調整はできるようになったが動作しなくなったのだ!CVの電圧も30V近辺に張り付いたままチューニングに同期して変化しない・・・・。
交換したVRの足を上げて導通なしの状態にすると、何事も無かったように動作・・・。
設定周波数に対してリニアにVCを発生させられれば、各部の電圧が少々おかしくても、実際の回路が回路図と異なっても問題ないが、一体このRT601の位置付けは?

(その後の展開)
ネットで上記の不可解な動作を質問してみたら、「2SK30GRでなく2SK30を使ったのでは?」と回答あり。
大当たり。「手持ちで当座の修理」のミス。後でGRランクを購入して様子を見よう。

(その他の部品交換)
  フロントエンド:                  C104/C106(100uF/16V)
  コンポジット信号アンプ:  C154/C155(220uF/16V)
  MPX:                                      C204/C205(470uF/16V)
  AFアンプ:                             C218/C219(220uF/25V)
  V-Iコンバータ:                      C223/C224(470uF/25V)
  →C223の様子がおかしい。爆発(圧力解放弁の解放)はしていないようだが、電解液が上部に浸み出たような跡。外してみると、なんと側面に穴が!これまで、真空管ラジオのペーパコンが爆竹のように(笑)破裂したのを見たことがあるが、電解コンの側面破裂は初めて。一体、何が起きたのだろう?
DSC01733.JPG 





(期待の音質-1) 
す、凄い。電解コンの交換の影響がどの程度あるのか分からないが、奥行き感の表現と、聴感上のS/Nがいい。
ST-J75もS/Nがずば抜けていたが、このDNAをちゃんと引き継いでいるようだ。
BGMを鳴らしながらのアナウンサーの話も、「音楽は後ろ、声は前」の距離感が凄い。
見通しの良さは素晴らしいが、ボーカルの子音が若干きつい。
音が冷たい感じはSONYのPLL検波やKENWOODのパルスカウント検波の音に似ている。
低音の音離れも良くなく、ベースラインが余り追えないし楽器が見えてこない。エージング後に期待。

(期待の音質-2)
時間が経つにつれて、低音の不自然さと高音のきつさが取れてきた。
民放で音楽がかかっていなかったので、NHKのクラシックをかけたときのこと。楽器の「響き」とはこれだ ! と言わんばかりで、バイオリンは、弦ではなくボディが鳴っているのが分かる
スピーカの裏側で楽器が鳴っているような実在感がある。
これまでシンセサイザー機に感じていた「息苦しさ」に対する嫌悪感もすっかり吹き飛び、只々脱帽。
これぞSleeper

(ACT (Audio Current Ttransformer))
ACTケーブルの効果が知りたい。アンプ直前で電圧変換することにより、何か違いが感じられるのだろうか。
部品を手に入れたらケーブルを自作してその真価を試してみよう。
 

拍手[5回]


無名インピーダンス変換法?

海外では有名な、同軸ケーブルを使用したインピーダンス変換手法の日本名が分からないでいる。
その名はTwelfth-Wave Transformer
実体はQマッチの実用版、といったところなのだが、海外にはあって日本にはその呼び名が見つからない。

(Qマッチ)
fig2p.gif
2つの異なるインピーダンスの伝送路の間に中間となるインピーダンスを挿入して変換するもの。
スタックアンテナのマッチングに同軸ケーブルを使用してマッチングをとるケースが一般に使用されている。
説明と簡単な計算機はここ
ところが、単純に50Ωの同軸と75Ωの同軸を変換しようとすると、その中間のインピーダンスを同軸で簡単に構築できない。

(Twelfth-Wave Transformer)
fig1p.gif
Qマッチでできない50Ωの同軸と75Ωの同軸の変換を、この手法を使用すると「50Ωの同軸と75Ωの同軸を使用して構築できる」のだ。
この変換部分に使用するそれぞれの同軸の長さ L がほぼ 1/12λ なのでこう呼ばれている。
詳細はここ

(注意点)
フェライトコアを使用して構築するいわゆる「トランス」型のインピーダンス変換と異なり、目的周波数に対してのみ成り立つ変換器なので、注意を要する。
ただしある人物の実験では、特性が結構ブロードだという記述も見られる。

(お願い)
Twelfth-Wave Transformerに対する日本名をご存じの方がいらっしゃいましたら、どうぞ教えてください。
 

拍手[2回]


YAMAHA T-2 (その2)

T-2-1.JPGまたやっちまった-(笑)。
でも、直った-!

(トライアンドエラーの顛末)
(1) TR407~TR410/2SC1917 の故障と思って交換 (2SC1917→2SC2240) してみたが、変化なし
当たり前だ。 回路図を良く見ると、これらの Tr だけでなく、前段の差動アンプが故障していてもこの現象は起こるのだ。

(2) 前段のアンプは差動アンプ (2SA844 x 2) なので、hFE を揃えないと信号がプラス側とマイナス側で異なる増幅度になり、歪 (いびつ) になる。
測定用回路を組むのも暑くて面倒なので(笑)、思い切って hFE 測定機能の付属したテスターを購入。
さすがに、あっという間に測定とペア組が完了。 今回はとりあえず R チャンネルのみを交換。 と、ところが、変化なし・・・。

(3) 各部の電圧の比較をしてみたが、実はフィルタ部の L の抵抗値の測定をしていなかったことを思い出した。 なんと、一番最初に測定した L402 が無限大 (笑)。
やっと見つけた! 内部コイルの断線 (溶断) でなければ、コイルの末端とリード線の接合部が切れているだけかも。
と思って汚れた接合部にアンモニアを浸した綿棒をあててみると、緑色に・・・。 銅線が腐食して緑青になり、消滅した証拠。 復旧は不可能。
L402.JPG






(当座の復旧)
L402 は 22mH (223J) というかなり大きなインダクタンス。
コリンズの無線機のレストアの時に必死で集めたコイルから近い値を探すが、最大でも 1mH か 2.2mH のものしかない。
ここは出力の周波数特性が若干乱れるだけと判断し、2.2mH の中で直流抵抗が近いものを採用。

(音出し)
まるで何事も無かったように一発で動作開始
う~ん、音がいいぞ。
差動アンプ用 Tr を交換したせいなのか、フィルタの L を小さくしたせいなのか、R チャンネルの高音がすっきりとして抜けがいい。

(肝心の音質)
聴感上の周波数特性は低音が盛り上がった感じで、若干高音の抜けが悪い感じ (L ch) がする。
ただし、この低音が鳥肌もの。 分解能の高い低音、という言葉があるとすればこの音に当てはまる
音程に揺らぎが全く無いだけでなく、ベースラインの動きが手に取るように分かる。
ギターのフィンガリングのノイズ、マイクへの息の被りなど演奏者の気配の再現が生々しい。
音場は、正に YAMAHA + レシオ検波のそれ。 CT-1000 ほど広さは感じないが、空気感とリバーブの心地よさが素晴らしい。

(今後の展開)
(1) L チャンネルの差動アンプを交換。
(2) L401/L402 を同じ値にする。 2.2mH の音も棄てがたいので、抜けの良さがこの値に起因するのであれば、採用する。
(3) TCA-1 の交換。 現状でもそれほど問題ないが、同調が外れているため信号強度が弱く、S/N が十分でない場合がある。
(4) 各部の調整。

拍手[4回]


YAMAHA T-2

T-2.JPG今度は、何と YAMAHA の大御所、T-2
当時のトップモデルで、C-2 とのペアを意図した超薄型のブラックフェイス。
その実力と音が知りたくて仕方がなかったが、今回やっと入手できた (やった-!)。

(当初の状態)
普通、「ジャンク」 と言っても 「未確認だからジャンク」 が多いが、今回は R チャンネルの音が出ない、本来のジャンク品。
ランプ切れもないし、キズもほとんど無し。 目盛が浮き上がるスケールとメータの照明が実に魅力的
L チャンネルからしか音が出ないが、その音に何だかタダ者ではない凄みを感じる。

(簡略調整と結果)
ポインタがスケールに対し、500kHz ほどずれている。 TCO で調整。
入力感度が弱いため、フロントエンドを調整。
しかし、初段のアンテナ同調回路のトリマ TCA-1 だけは、回転させても変化なし。
信号強度が弱いのは、このトリマの故障により同調がとれないためと思われる。
回路図を見ても値が記入されていないが、数 pF~10pF だろう。
d8c5e364.jpeg






(トラブルシューティング)
POST AMP NA07061 基板上で正常に動作している L 側の TR407/TR409 各点の電圧を測定すると、R 側の TR408/TR410 の電圧と全く異なっている。 その他の TR/FET の測定電圧には L/R で差異が認められなかったので、この 2 点のどちらか (または双方) が故障の原因と思われる。 TR407~TR410/2SC1917 の交換が必要。
6a569a7f.jpeg







・・・ところが、2SC1917 なるトランジスタの情報が、ネット上にほとんど無い(泣)。
クロスリファレンスでは 2SC2390/2SC2240/2SC1844/2SC1344 ・・・と沢山候補が挙がっていたので、よく比較したのち交換しよう。

 

拍手[0回]


04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
[05/26 2H]
[02/03 ポムロル]
[01/24 cooltune]
[10/11 ポムロル]
[10/10 BLUESS]
[10/05 ポムロル]
[10/04 BLUESS]
HN:
ポムロル
性別:
男性
自己紹介:
真空管ラジオ、無線機、オーディオ、ギター、洋楽が大好きなオヤジ。
Copyright ©  -- Basement Workshop --  All Rights Reserved
Designed by CriCri / Photo by Geralt / Powered by [PR]
/ 忍者ブログ